返礼品を楽しめることから、身近な制度として利用する人が増えているふるさと納税ですが、寄附をしただけで税金の控除が自動的に受けられるわけではありません。必要な手続きを忘れてしまうと、せっかくの制度を十分に活用できない可能性があります。
さらに、寄附できる金額には目安となる上限があり、収入や各種控除の状況によって変わります。思ったより多く寄附してしまうと、すべてが控除の対象になるとは限らないため注意が必要です。
では、どのような点を確認しておけばよいのでしょうか。
ふるさと納税は「寄附したら自動的に控除」ではない
ふるさと納税を利用する際に、特に覚えておきたいのが税金の控除を受けるための手続きです。
自治体に寄附をしただけでは、控除が自動的に適用されるわけではありません。基本的には「ワンストップ特例制度」または「確定申告」のいずれかを利用して手続きを行う必要があります。
会社員などで確定申告をする必要がなく、寄附先が5自治体以内である場合には、ワンストップ特例制度を利用できるケースがあります。
一方、寄附先が6自治体以上になった場合や、ワンストップ特例の申請に間に合わなかった場合などは、確定申告が必要になることがあります。
つまり、返礼品を受け取ったところで手続きが完了したと考えないことが大切です。
申請を忘れてしまったらどうする?
「気づいたら申請期限を過ぎていた」という場合でも、すぐに諦める必要はありません。
ワンストップ特例の申請期限に間に合わなかった場合は、確定申告によって控除を申請できるケースがあります。
また、確定申告そのものを忘れていた場合でも、一定の条件を満たせば、あとから還付申告を行える場合があります。ふるさと納税については、寄附をした年の翌年1月1日から5年間が一つの目安となります。
その際に重要になるのが、自治体から発行される「寄附金受領証明書」です。
手続きが必要だと気づいたら、まずはこの書類が手元にあるか確認してみましょう。
寄附の上限額にも注意したい理由
もう一つ見落としやすいのが、寄附できる金額の上限です。
ふるさと納税では、所得や家族構成、各種控除などによって控除を受けられる金額が変わります。そのため、「前年はこの金額だったから今年も同じ」と単純に考えることはできません。
上限額を確認するときは、前年の源泉徴収票などを参考にしながら、各種シミュレーターを利用する方法があります。
ただし、給与収入だけを見て計算するのではなく、住宅ローン控除やiDeCo、医療費控除など、自分に関係する控除についても確認することが重要です。
これらを考慮せずに計算すると、実際よりも高い金額を寄附できると考えてしまう可能性があります。
年末に近づいてからもう一度確認するのもポイント
ふるさと納税の上限額は、その年の収入や控除状況によって変わります。
途中で転職したり、賞与の金額が変わったりした場合は、当初想定していた金額と実際の年収が異なることもあります。
そのため、年末が近づいて収入の見通しが立ってきた段階で、もう一度上限額を確認しておくと安心です。
上限ギリギリまで寄附するのではなく、少し余裕を持って金額を決めるという考え方もあります。
実は「手続き」と「上限」の2つが重要
ふるさと納税を利用するとき、返礼品の内容だけに目が向きがちですが、確認しておきたいポイントはそれだけではありません。
まず、寄附後に必要な手続きを確認すること。そして、自分の収入や控除状況に応じた寄附額を把握すること。この2点を押さえておくことが大切です。
特に「寄附したから大丈夫」と思って手続きを後回しにすると、申請方法を変更する必要が出てくる場合があります。
利用する前に手続き方法を確認し、寄附金受領証明書などの書類をきちんと保管しておけば、後の手続きも進めやすくなります。
ふるさと納税は、返礼品を選ぶ楽しさだけでなく、制度の仕組みを理解して利用することも大切です。寄附する金額、申請方法、期限の3つを事前に確認しておけば、慌てずに手続きを進めやすくなるでしょう。
